走って部屋に戻った私は、後ろ手に鍵をしめた。
ゴミ収集箱の上から、拾ってきた一冊の雑誌。
何気なくそれを見つけてしまった私は、周りに誰もいないのを見計らって、それを拾って、急いで帰ってきた。
雑誌の表紙には、全裸で縛られた女性がこっちを見ている。
ベッドに座り、雑誌をぱらぱらめくってみた。
そしてあるページで止まった。
見ているだけで、私のあそこはすごい勢いで濡れてしまっている。
私はそっとパンティの中に指をしのばせた。
すでにパンティは“ビシャビシャ”に濡れていた。
そのまま指を動かし、刺激した。
雑誌をおいて目を閉じた。
そして、さっきの写真のように縛られた私を想像した。

(あぁ、私もあんな風に縛られたい・・・)

(そして、いろんなことをされたい・・・)



ノートPCを開き、いつも訪問するSMサイトをのぞいた。
ここにはチャットルームがあり、Sの男性と直接会話ができる。
S男性に「今、パンツを脱げ!」「足を開け!」・・・など、文字でいろいろ命令されるのだ。
こないだは、
「今日はパンツをはくな。会社でオナニーしろ」
といわれた。
私はパンツをはかないで出社し、会社のトイレで一人Hした。


知らない男性に、なじられるのが、スキだった。
でも、そろそろリアルな男性に調教されたい。
触られたい。縛られたい。いろんなことをされたい。
もはや一人Hだけの生活は限界だった。
誰かの手が、私のカラダと心に触れ、そして心身共に縛って欲しかった。
そして私をメチャクチャにして欲しかった。


渋谷区在住、28歳、OL 
「M女、初心者です。どうか、私の身も心もすべて縛ってください。立派なM奴隷に調教してください。初心者なので、経験がある方を希望します!精一杯、がんばります!!」


掲示板に書いてしまった。
自分が投稿した文章を読み直してみると、他人事のような文章に見えた。
しかし、それが私の今願っていることは、誰よりも知っている。
目を閉じ、そっとパソコンを閉じた。

(あの掲示板を誰か読んでくれるだろうか?)

(果たして、ちゃんとレスをくれるだろうか?)




翌日サイトを見ると、私の書き込みに何件かレスがついていた。

「はじめまして。初心者さんですね。あなたを立派なM女にしてあげます。
          世田谷在住S歴5年の男」

「お前をめちゃくちゃにしてやるぞ。M雌、足広げて、待ってろ!」

その他にも、何人かの男性から、書き込みがあった。
私は、その中から一人、感じがよさそうな男性に、連絡を入れてみた。
その人は幸いにも話があった。

何度かのやり取りをした後、とうとう二人は会う約束をした。